杜氏 石川 博規
蔵人 酒井 敏郎
蔵人 佐藤 徹
蔵人 戸川 隆之
日本酒は人生を豊かに、楽しくしてくれるものと信じております。
私自身がそうです。そして酒造りに携わる身になって「人の和」というものがとても重要だと気付かされました。
杜氏一人だけでは日本酒を造ることはできません。
「良い酒を造りたい」「お客様に喜んでほしい」
そんな蔵人、一人一人の情熱や想いによって高野酒造の酒は醸されています。
その情熱の結晶である日本酒が皆様の人生をより豊かに、より楽しくするものであることを祈ってこれからも精進して参ります。
新潟県は、全国的にも知れた豪雪地であり、冬の厳寒期を選ぶ酒造りには大変適した環境にあります。米どころとしても名高く、主に原料米として使用している酒造好適米「五百万石」は新潟県産米にこだわり、日本酒に欠かせない仕込み水も、雪解けによるミネラル豊富な軟水で仕込むことで、醗酵を低温で穏やかに進めることができ、口当たりの柔らかい、まろやかな酒になります。
このような良酒造りに恵まれた環境の中で、脈々と受け継がれる越後杜氏伝統の技と心で、百有余年に渡り、皆様に愛される酒を造り続けております。
第58回 関東信越国税局鑑評会…
白米の表面に付着している糠を取り除くため、水で洗い流し、理想の蒸米に仕上げるために適度に水を吸収させます。その日の気温や水温、米の品種によって浸漬時間は毎日変わってきます。大吟醸においてはストップウォッチを使い秒単位で緻密に計測しています。この作業で蒸かしに善し悪しが決まるといっても過言ではありません。
米を蒸すことで米デンプンをβ型(生デンプン)からα型(蒸米)に変化させます。α化により麹菌の作用を受けやすくなり、順調に糖化(デンプンがブドウ糖に変化)が行われます。また加熱による白米の殺菌で以降の醸造工程を安全に進めるねらいもあります。蒸米の仕上がりは、外側は硬く、内部は軟らかい「外硬内軟」の状態が望ましいとされています。
酒母に麹、蒸米、仕込み水を加えて醪(もろみ)を造る。酵母に負担をかけないよう、添(そえ)仕込み、仲(なか)仕込み、留(とめ)仕込みの3回に分けて行う三段仕込みが一般的です。仕込みタンクの中では蒸米のデンプンが麹の酵素によってブドウ糖に変えられる糖化作用とブドウ糖が酵母によってアルコールへと変化する醗酵作用が同時に行われます。この醗酵形式を「並行複醗酵」と呼びます。
一定期間醗酵させた醪(もろみ)を清酒と清酒粕に分離する操作を上槽という。現在では機械(もろみ圧搾装置)を用いて行われるのが一般的ですが、大吟醸クラスは酒袋に醪を入れて吊るして搾る(袋取り)という昔ながらの作業を行っています。